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世界を知る 2015.12.04

古代ローマ時代は「聖水」だった!?天然炭酸水の歴史的魅力を紐解いてみよう

近頃ではダイエットや健康に効果アリかも?と注目を集める天然炭酸水。日頃から愛飲している人も多いのではないでしょうか?

こちら、「天然」といわれるだけあって、土地の特性や源泉地をめぐる歴史などの要素が積み重なって現在に至っています。水のおいしさやカラダへの効果などを知ることはもちろん大切ですが、今回はその天然炭酸水が作られる仕組みから源泉地の歴史を紹介し、この水が長く親しまれてきた理由を明らかにしていきたいと思います。

普段、何気なく飲んでいる水にまつわるトリビアを紐解きながら、そこから見えてくる天然炭酸水の魅力に迫ります。

 

そもそも天然の炭酸水って、どこでどうやって作られているの?


Photo By Yellowstone National Park

天然炭酸水が作られるヒントは、実は温泉にありました。

炭酸泉。正式には「二酸化炭素泉」と呼ばれる炭酸の温泉は、実は天然の炭酸水と同じ成分なのです。この二酸化炭素泉とは、水中に炭酸ガスが溶けている温泉や鉱泉のことをいいます。

つまり、天然炭酸水は二酸化炭素が溶け込み炭酸水となっている温泉ということなのです。

炭酸泉は、地熱や火山活動によって地下水に様々な成分が溶け込み、そこに二酸化炭素が加わることによって、天然の炭酸水の水源として、地下の奥深くに形作られます。

 

なぜ、ヨーロッパでは炭酸水がよく飲まれるのか?

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さて、欧米のレストランに行くと、水を注文しても炭酸水が出されることがあります。それだけ欧米社会では炭酸水が一般的に飲まれているということです。では、なぜ炭酸水は欧米でここまで市民権を得ているのでしょうか?

理由は簡単。ヨーロッパ諸国には炭酸泉の資源が豊富だからです。日本にも炭酸泉自体はありますが、ヨーロッパと比べると少なく、珍しいものとされています。

温泉大国であるはずの日本に炭酸泉が少ない理由は、活火山が多く、源泉の温度が高いため、二酸化炭素が水に溶け込まず空気中に放出されてしまうからなのです。一方、ヨーロッパでは沈静化した火山が多く、二酸化炭素が水に溶け込んだ炭酸泉が発生しやすいのです。

つまりヨーロッパで炭酸水とは、実に身近な自然の恵み。こうした背景があるからこそ、ヨーロッパで日常的に親しまれる存在となったのです。

 

歴史の重みを感じながら飲みたい!欧州が誇る三大天然炭酸水

2000年以上も前から人々に飲み継がれてきた天然炭酸水。

今回は、ヨーロッパでも特に歴史の深い2本の天然炭酸水を取り上げ、その源泉地にまつわる歴史的なエピソードを紹介しましょう。歴史の重みを感じながら飲むと、さらにおいしさが増すかもしれません。

古代ローマ人の愛した水「ソーレ」(イタリア北部 ロンバルディア地方)


Photo By Ryohei Noda
【硬水・硬度375mg/l前後】

イタリア北部のロンバルディア地方が源泉地で、ヨーロッパの多くの高級レストランで愛飲されているという「ソーレ」。

採水地で直接ボトリングされた湧水そのままの高品質天然炭酸水です。この湧水はヨーロッパの歴史とともにあったといっても過言ではありません。

古代ローマ帝国時代から「ソーレ」は知れ渡っており、古代ローマ軍の兵士たちが戦いの前に喉の渇きを潤したともいわれています。さらに時代が進み、ペストなどの伝染病が蔓延した中世には、修道院の管理下に置かれ、その治療にも珍重された歴史があります。

1200px-Mosaique_echansons_Bardo
出典:wikipedia

修道院が管理していたということは、病気に効く「聖水」として扱われてきたことがわかります。そもそもヨーロッパでは、地下から湧き出る水を聖水として信仰する習慣があったといいます。そんな貴重なシロモノが、現代では遠く離れた日本にいても数百円で買えてしまうことに驚きです。

英雄ハンニバルも喉を潤した水「ペリエ」(南フランス ヴェルジェーズ)


Photo By Rodrigo Paredes
【硬水・硬度417mg/l前後】

世界中の人々に愛され、もはや日本でもおなじみのペリエは、南フランスのヴェルジェーズという町が源泉地。水源付近の1,300ヘクタールもの広大な土地が環境保護地区として守られているほど厳密な品質管理がなされています。


「Hannibal Crossing the Alps on an Elephant」 出典:wikipedia

ヴェルジェーズは、紀元前から既に天然水が湧き出る泉として、人々に愛されてきた深い歴史があります。

時は紀元前3世紀、共和政ローマとカルタゴとの間で地中海の覇権を賭けて争われたポエニ戦争での一場面。カルタゴの英雄ハンニバルがローマへ行軍する途中、ヴェルジェーズに立ち寄り、そこに湧いていた泉水を飲んで英気を養ったという逸話が残されています。

皇帝ナポレオン3世が愛した水「ヴィシーセレスタン」(フランス ヴィシー)


出典:大塚食品セレクトショップ
【硬水・硬度290mg/l前後】

フランス・ヴィシーは、古代ローマ時代から広く知られる湯治のメッカ重炭酸塩が豊富に含まれた健康にも美容にもいい水質のため、王朝時代には王侯貴族がバカンスに訪れていたほどです。
☆重炭酸塩の効能はコチラもチェック☆

1861年には皇帝ナポレオン3世とその宮廷人が彼ら専用の湯治場を設立し、そこから町中の泉は勅令により「公益の水」として宣言されたのです。ナポレオン3世が街の整備を行ったことで温泉保養地として繁栄し、後に「水の都の女王」と呼ばれるようになりました。
その後、温泉療養施設が街のあちこち作られ、飲泉や天然のミネラルウォーターを汲んで飲めるようになっています。

古代ローマから中世にかけて、こうしたさまざまな伝説が残るのは「水」に深い敬意を持ち研究し、日常的に接しているヨーロッパならではでしょう。

 

天然炭酸水に歴史あり!そのおいしさにストーリーあり!

天然の炭酸水は温泉と同じように、地熱や火山活動によって様々な成分が溶け込んだ水が湧き出てきたものです。

天然炭酸水一つひとつに歴史あり。源泉地は遙か昔から、癒やしの源として多くの人々に知られていたこともあり、多くの歴史的エピソードがあります。悠久の時を超えて、私たちの手に届く天然炭酸水はまさに「地球の恵み」といえるのではないでしょうか。

サラリと流れ込む炭酸水に宿る、ズッシリとした歴気のロマンを感じながら、おいしさだけではない天然炭酸水の知られざる魅力について考えてみてはいかがでしょう。

参考文献:
川村憲司(医学博士) 総監修/塩川美子・勝部愛・村井貴臣・藤本朋美 編『炭酸BOOK 冷え取り健康ジャーナル50号』健康ジャーナル社

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